ほくそうブログ

2014年1月14日

北総俳壇 

北総俳壇
☆安藤 悠果
一人部屋 一人でくつろぎ 笑い声
*興梠  孝
新築の 壁の西日に トンボ二匹舞う
□金子 春菜
チクチクと 針をすすめる 池田さん
きれいな刺し子を いつもありがとう
*三浦 圭織
新棟で 迷子になるのは 職員も
□高木 恭一
千葉氏らの 築きし砦 須賀山城
今はためくは 武田菱かな
□杉本 和彦
農耕の 芋見てやりたい 焼き芋大会
□石橋 琴美
秋冬も 汗かき働く 林産班
*絵鳩 典子
新棟の 灯りが照らす 帰り道
*加瀬 裕一
大根に よく育てと 祈り込め
間引きを終えれば 収穫の秋
□藤原 加奈
干支人形 たくさん売れれば うれしいな
□篠塚奈緒美
朝会うと 笑顔で「じぇじぇじぇ」
ここにもいたか 朝ドラファン
□遠藤 武史
電動の ロクロ回すも
いつまでたっても歪んでる
選者寸評
バリアフリー新居住棟の暮らしが始まった(この工事は本館・旧居住棟の耐震大改修工事を残しているので、心置きなく新しい環境を享受するにはもう一年の間が必要)。今回この新居住棟についての投句が多かった。
これまでの40年は雑居部屋の暮らし。今度は一人部屋。廊下を通ると○○さんの部屋から笑い声が聞こえる。きっと一人部屋の満足感に浸っているのだろうと作者は想像したのだろう。安藤さん。一席とした。三浦さん。新棟に慣れない職員を揶揄。興梠さん絵鳩さん。新棟と私の距離が面白い。加瀬さん。大根よ!よく育てと祈る。その先に今年の切干大根への決意。
相変わらずへたくそな句ばかり。しかし、心が伝わってくる。この人たちとの暮らしに注がれる目線は温かい…。        「虎風山人」

2013年3月8日

北総俳壇

北総俳壇
□石渡 啓子
寒いなあ 今日の夕飯 鍋にしよ
□石橋 琴美
◎原木を 運ぶ足もと 秋の色
□吉田 祥子
青空に うろこの雲が うかんだ
□内田 沙和
トントンと なり響く音 紙工芸
□石橋 絵里
きれいだな フレームいっぱい
シクラメン
□加瀬 裕一
◎秋風に 吹かれて励む 農作業
□杉本 和彦
△海の幸 山の幸 一番は命の幸
□高木 恭一
△フタ開けて おー肉だ!と
昼ごはん
□菅谷 大輔
◎椎茸のでる数驚く 秋空の
取る顔皆誇らしげ
□信田 陽子
うだるような暑さも過ぎ
秋の澄み渡った青空と
清々しい空気の中 時折冬の気配
□安藤 悠果
◎朝けんか 今日はなんで
怒っているの?
□金子 晴奈
「おはよう」と真白い息がもくもくと 落ち葉掃きの手が止まる
□齊藤  到
△秋になり 夏の暑さも なつかしい
□米川 育美
紅葉おち 紅葉のじゅうたん
できあがり
□石上 喜章
△岩井さん 走るの案外 早かった
□絵鳩 典子
出勤し 建設事務所の 標語見る
高い意識に 背筋伸び
□白樫 久子
霜月の夜にぽっかり月明かり
家路に急ぐ 君もみてるか
□梶浦 美緒
◎止まったり 寄り道したり
戻ったり
長くて遠い 紙工への道
□興梠  孝
熟し柿 秋深まりし 北総の里
□青野 豊市
毎日が 仲間どうしの にらめっこ
□篠塚奈緒美
食べたいな食べたいな
でもないな あの柿の木
□猪田 昌宏
思い出す しだれ桜と 作業棟
□保科 智子
栄子さん 歳も縫い目も 北総一
太田さん 早く元気に 帰って来い
三浦圭織 特別枠!
・風邪ひくな! 言ってる私、 風邪っぴき
★利用者に 心配される 支援員
・らっきょう 食べられないが、作ってる(笑)
・林産班 負けてらんない 農耕班
・明けの朝 うとうと眠る 耐えられず
・小松菜と ほうれん草は わからない
・靴反対 言ってる本人 靴反対 (新島さん)
・金がない ご飯は食べず みかん食う
(今の私の状況)
・早く寝て! 言ってる自分は 夜行性
・コーヒーを 作るのだけは 自信ある
(作業後のコーヒー)
「21歳、今思うこと」
たまに、ふと「何で私はここにいるのだろう?」と考えてしまうことがあるが、北総の利用者との出来事や、仲良くしてくれる職員のことを思うと、やっぱりここにいたい!私はまだまだここにいるべきだ!と思える。就職してまだ半年しか経っていないが、この人たちに出会えて良かったと心から思えている。人生捨てたもんじゃない(笑)
選者寸評
言葉を琢く。この人たちが笑っている。泣いている。怒っている。汗流して「働くこと生きること」している。遠くを見ている。職員はその様子から心を読み取り言葉にする。近藤原理先生の「優しい言葉で深い思想を」に至る、同じに見えて同じでないこの人たちに寄り添う一期一会の坂道。「トオチャン、カアチャン、アイタイ」。毎日の暮らしの中からポロッとこぼれ落ちる真珠のような言葉。職員はこの人たち探しの旅を続ける。それらの言葉は汗臭かったり、冷たい雨の音だったりが彩りを添える。
もう20年以上もこの道を歩み続けてくれている職員の投句。中にはこの道の奥深さを知るには、少し役者不足の新職員の句。長い時間、言葉を鍛える練習をしているはずのベテランが苦戦し、駆け出しの一年生が伸び伸びとこの人たちとの暮らしを拙い言葉で活写。五七五の北総の暮らしのキャンバスが広がる。そのアンバランスが面白い。そんな中、今回の収穫は一年生職員の三浦氏。へたくそだが読む人の心をつかむ。しかも今回、一番多く投句してくれた頑張り屋。この際、彼女のコーナーを持つことにした。
「選者 虎風山人」
★最優秀賞 ◎優秀賞 △佳作

(さらに…)

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